エヴァQ 見たよ


今日も金曜ロードショーエヴァQ見てました

とりとめのない話をつらつらと書こうかなと
自分のために

序は2007、破は2009、Qは2012の作品ですね。
2007年は『天元突破グレンラガン』『ひぐらしのなく頃に』『らき☆すた』『ガンダム00
2009年は『涼宮ハルヒ(二期)』『東のエデン』『けいおん!』『とある科学の超電磁砲』『化物語
2012年は『Fate/Zero』『TARI TARI』『PSYCHO-PASS
なんてテレビアニメがあったりしましたね。こうしてみると時代性が見えて来るかなと思いましたが……わかんねえな笑

・序、破はループ路線だった?
「ループもの」という物語構造が2005〜2012くらいに流行ったのは記憶に新しいですね。上の例をみても「ひぐらし」やループで物議をかもした「ハルヒ」がちょうど序、破の時期にあります。この流行の視点で新エヴァを見てましたし破では明らかにそれっぽい台詞や演出があったりします。(カヲルくんの最後の台詞とか、新キャラ、マリとあった後にカセットテープのトラックが26(TV版の話数)を超えるとか)次回の「Q」というのはループ(O)から抜け出す(Q)からなんて言われたりしていたのも懐かしいです。

エヴァはフロントランナーでなければならない
エヴァ新劇場版の製作を発表した時に総監督の庵野さんは所信表明で「10年以上昔のタイトルをなぜ今更、とも思います。エヴァはもう古い、とも感じます。しかし、この12年間エヴァより新しいアニメはありませんでした。」と述べています。今度のエヴァは最先端でなくてはならないという強い自負心が感じられます。
最先端……「ループもの」という物語構造は当時最先端だった気がします。「ループもの」はループを抜ける瞬間と物語のテーマの結末をかぶせることで乗数的にドラマチックに見せる効果があります。また、「ループの過程」としてあらゆる設定、条件を肯定します。
エヴァほど二次創作が作られた作品は多くないでしょう。エヴァの二次創作では「シンジやレイたちが出逢い、深い関係を持つ」という共通項をもって、あらゆる世界が考えられました。憎しみ合って殺しあう世界、愛し合う世界、平和な学園生活を送る世界、戦い続ける世界、散々苛め抜かれる世界……ループものはその全てを肯定できます。『STEINS;GATE』的に言うと「通過した世界線」でしょうか。ループからの脱出のカタルシスはループの回数と密度で跳ね上がりますから。最後に「本家」がそういえば(言わないけれど笑)もう誰も反論できないでしょう。二次創作やあらゆる設定が準公式になることでエヴァは最先端かつ最高の作品になるのでは?という話です。きみまるさんの同人誌「RE-TAKE」はこういった話でしたね。

↑とんでもない傑作ですよ……アイデアだけでないこのエンディングはTV版に対する現時点で最高のアンサーだと思います。

・じゃあ「Q」はどうしちゃったの???
「ループもの」は「エヴァ」に非常にフィットした物語構造でした。しかし、Qが公開する2012年までには『エンドレスエイト(2007:アニメ)』『STEINS;GATE(2009:ゲーム)』『魔法少女まどか☆マギカ(2011:アニメ)』などといったループものの傑作たちがこぞって出てきます。特に『まどか』の盛り上がりはとてもすごかった。「社会現象」と言えたかもしれない。10年に一度のヒット作だった気がします。(大げさか?)かくして「ループもの」は広く浸透してしまいました。そして「次の物語」を求める声が上がりました。
エヴァをこのまま作っても素晴らしい作品になることは間違いなかったのですが、『まどか』に並ぶ「ループもの」の傑作……そう言われるだろうことはプライドが許さなかったのでしょうか。さらに先を目指して……「次の物語」「誰も想像しなかったエヴァ」を目指してスタッフは挑戦を行うことを決断したのだと思います。(2011年の東日本大震災も大きく影響しているようですが、こういう思いはあったのではないでしょうか)

「Q」……いろいろ荒いですよね……完成度という点ではやはり低いと思わざるを得ません。先ほどの「所信表明」では「最後に、我々の仕事はサービス業でもあります。当然ながら、エヴァンゲリオンを知らない人たちが触れやすいよう、劇場用映画として面白さを凝縮し、世界観を再構築し、誰もが楽しめるエンターテイメント映像を目指します。」とも述べているのですが「破」の最高のショーを見た後では空しく聞こえます。次回作もどういうオチをつけるのかは全く想像できません。しかし、劇場で(公開初日の初回公演で見た。気合入ってるウ)見てグッとガッツポーズとったのをとても覚えてます。庵野、挑戦に出たな!!!って笑。ああ、観客の度肝を抜くというのは大成功でしょうね。とりあえずそこの点に関しては大成功でした。

あの世界の構造がどうなっているのかは次回作まで分かりませんけれど(既にループを抜けた感はありますね)「Q」で「破」の未来の世界でやりたいことは少し見えた気がします。「Q」ではミサトさんたちも「戦ってる」んですよね。いやなにもこれまで戦わなかったわけではなくて最前線でエヴァに頼らずに戦っているんです。ミサトたちヴィレはエントリープラグのような艦橋に立ち、ヴンダーを操縦して敵を倒します。このときのクルーたちはミサトの提案に反対したりしてちゃんと自分自身で考えているし、ミサトもとても頼りがいがあるように指揮を執ってます。以前まではクルーがぶつぶつ言いながら命令通りに行動したりというのはよく見られましたし、ミサトも「エヴァは!??」とか「頼むわよ」というセリフが印象的でした。対してネルフサイド、ゲンドウたちはTV版では最後までゼーレと化かし合いを繰り広げていましたが、今回は引き返せない手を下します。いままでシンジ君に押し付けていた役回りを自分たちで行っている(という好意的解釈笑)と見てとれます。そこは選ばれた子供が必要なくなった世界。いや、世界を守る子供みたいなのが選ばれないように、悲劇が起こらないように成長した世界。かもしれません。シンジ君がもう戦わなくていい世界……レイの願いどおりの世界ですね。

・次回作は??
流石に次回で世界の秘密(ループの構造は明かされなくとも……少なくともこの世界の状況は)はシンジ君、知ることになるでしょう。しかしシンジが戦わなくていい世界です。そこでシンジ君が皆とともに戦う決意をすることになるでしょう。それまでに、そしてその後に何回もシンジ君は本当に戦うのか迫られるカタチになるかもです。シンジも、レイもアスカもミサトも、もしかしたらゲンドウたちも登場人物すべてが同じチームとして戦う。これって自己犠牲とかで戦うのではなくて、皆とともに自分の遺志で戦うということで、それによって独立宣言、「自分をもつ」ということにつながるんです。世界を一人で支えるのではなく、世界を支える一員になるということ。そのうえで世界を支えてる責任を持つこと。みんな同じ立場で同じ力と覚悟を持つならば苦しみや責任はシェアできますから。そのときこそもう一度「僕はここにいてもいいんだ!」って叫ぶことができるのではないでしょうか。


……にしても「Q」の皆はシンジ君に対して辛辣すぎる……これは何か舞台仕掛けがあるからと信じたい。



次回が気になります。